2009年8月19日
日常への感受性。
お客さまとのミーティングにも使うスペースに、
会社で手がけた仕事や発行した写真集や絵本を
つつましやかにディスプレイしている。
下は本棚になっている。
その本棚から本を出し、
使った後、そのディスプレイを心がけている作品の前に、
無造作に置き去りにされた本があった。
元に戻さないだけではない、
何と云う、無神経さ、と驚いた。
それで、ふと数か月前の出来事を思い出した。
お客さまの会社の作品展の案内をいただいた。
素晴らしい展覧会なので、わたしも行きたい、
会社にお越しいただいたお客さまにもご案内したいと思って、
封筒に入っていた案内状を、
掲示用に使っているコルクボードに貼り付けた。
封筒に折りたたまれていたので、二つの折りじわがついていた。
それから、何週間か経って、その会社の方が来られた。
打ち合わせを終えて帰りがけ、
「どうぞ、これを貼ってください。」と言って
ピンと張った案内状を出された。
前に来たとき、折りじわのある案内状を見て、
気になって仕方がなかったらしい。
少しためらいがちな表情で話された。
申し訳ないことをした。
おとなになれば当たり前のことかもしれないが、
このような感性が、世の中の共感を生むデザインになるのだろう。
コミュニケーションの題材は、日常にある。
デザインは、MACやデザイン雑誌から生まれるのではない。
きっと日常の感受性を磨くことから始まるのだと、しみじみ思った。




