「村上春樹」が消えた。
アマゾンで、「こんな商品を買った人はこんな商品も買っている」コーナーがある。
でも、発売したとき、おっちゃんの絵本『ボクは、なんにもならない』には、何もなかった。
何カ月もたって、いきなりアート関係の洋書が並んだ。
こんな難しそうな本といっしょに買ってもらうのかいな?と驚いた。
なかなか絵本が並んでくれない。
「よるくま」とか、
「100かいだてのいえ」とか、
「こうちゃん」とか、来てくれへんかな、と
虫のいいことを夢想した。
でも、もともと絵本に分類されていないようだ。
絵本として認められていない。
つらい。
孤独な本だ。
しばらく、このコーナーが消えて、また、突然、
村上春樹の本が並んだ。
やった、こんな人気作家の本の関連買いが誘えたら、
アクセスが増え、売り上げにつながるのではないか。
しかし、ぬか喜びだった。
じりじりと売上順位を下げたまま、「村上春樹」が消えた。
1週間ほどのいのちだった。
あんな高名な村上春樹さんの本を一冊も読んでない、
バチが当たったと思った。
2週間ほど消えたままで、また、知らない間に、
「花火セット」になっていた。
なんでやねん、なんで花火セットや水遊びセットや。
ただの夏休み狙いか。
アマゾンさんも、苦労してはるなあ。
申し訳なくなった。
むかし、パチンコ台をドンドン叩くと、おっさんが出てきたけど、
なんか、パソコンの後ろに、
売れない本を片手に途方に暮れているおっさんを想像した。
そこで、アマゾンさんに、売り込みたい企画があるんですが、
「著者が、いっしょに買ってほしいと思う本」のコーナーは、
どうでっしゃろ。
勝手にその企画を進めると、
わたしなら、絵本『ボクは、なんにもならない』は、
まずは、この7冊を並べてほしい。
福岡伸一さんの『生物と無生物の間』
石毛直道さんの『食卓の文明論』
神門善久さんの『日本の食と農』
山岸俊男さんの『日本の「安心」は、なぜ、消えたのか』
辰巳芳子さんの『食の位置づけ』
丸田一さんの『「場所」論』
鷲田清一さんの『悲鳴を上げる身体』
なんや、早い話が、
高名な方の威光にあやかろうという魂胆が、透けて見えてきた。
われながら、ああ、浅ましい、あさましい。




