ホンマ、アホちゃうか。
サッカーが好きな人には、信じられない人がいる。
むかし、アメリカWカップの決勝戦で知り合った青年は、
ローマ大会から欠かさず、Wカップを観戦していた。
ユーロカップもチャンピオンズカップも出かける。
その青年は、いま40歳を超えて、コンビニでアルバイトをしている。
サッカー優先だから、とても、正規の仕事にはつけない。
この前、沖野さんの告別式の帰りに聞いた話。
4年ほど前から応援しているおっちゃんなんか、
ホンマ、新参者と思えるぐらい、年季の入ったゼルビスタが揃っていた。
むかし話に花が咲く。
町田ゼルビアがスタートした頃、まったくお金がない。
どこからもお金が出ない。
仕方がないので、その席にいた一人の人が、
自腹を何年も切ったらしい。
ご自分で告白したわけではない。
本人は、「もう堪忍してえな」と言う感じで笑っているだけ。
いままでゼルビアを支えた人には、こんな人がたくさんいるんだろう。
その何日か後で、サポーターの人と食事していたときの話。
昨年の11月、ゼルビアがJFLへ上がる鳥取決戦。
ほんとうに死闘だった、鳥肌が立った、と立ち会った人から聞く。
あれは、日本代表で言えば、「ジョホールバル」に匹敵する伝説になろうとしている。
その人は、鳥取に行けず、ゼルビアの事務所に電話をしながら、
試合経過を追っていた。
ついに勝利した時、その人は、
「よし、石垣島だ。」と思わず叫んだ。
でも、そのあとに、
「いや、おれじゃない。あいつに行かしてやるべきだ。」と
思い直したらしい。
そして、石垣島に行ってこい、と言って
自分のための10万円を差し出した、という。
おっちゃんなんか、何も考えずに、石垣島に行ったけれど。
ほんま、スケールが違う「熱さ」や。
こんなとき、
共感と尊敬と憧れと、いささかの雑念を交えて、
大阪の人間は、云うんです。
「ホンマ、アホやね。」
それでも、相手が笑ってたら、
「手が付けられんわ」と追い打ちをかける。
東京の人には、危険やから言えない。
大阪でこの会話がしたかった、としみじみ思いました。




