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おっちゃんの「日々こもごも」

2010年2月01日

のう天気男に、幸を。

筆者:おっちゃん 友から、久しぶりにケータイに電話がかかってきた。
枯れ葉を踏むような声だった。
「どうしてん。心細い声やで。」
気軽に言ったら、
「いま、大学病院からなんだ。」と言って、
びっくりする返事が返ってきた。

先週から検査入院している。
最終的な診断は出ていないが、
たぶん、骨肉腫だ、と言う。
「日本一、のう天気な人間だと思ってきたけれど...。
ほんと、参ったよ。」と、しおれた声。

おっちゃんよりも、4歳ほど若い。
上京して、すぐ知り合い、
顔の広い奴だったから、いろいろなキャリアの人を紹介してもらった。
世話になった。
少しは、おっちゃんも返した。

見舞いは、大丈夫か、と尋ねて、
病院に行くわ、と言ったのが、先週の月曜日。
行けたのが、結局、土曜日になった。

病室のドアを開けると、
ベッドのそばに、しかめっ面して立っていた。
痛み止めを飲んでも、激痛が走る。
「ほら、見てよ。」と言って、パジャマの胸を開けた。

肋骨のあたりから、こんもりと盛り上がっている。
骨が溶けて、変形して突き出ているらしい。
典型的な骨肉腫だから、研修医に見せたい、と主治医が言って、
「昨日、若い医者が5人ほど来たよ。」
でも、触って激痛になったら、申し訳ない、と恐る恐る触るらしい。
「いいよ、いいよ、遠慮しなくっても、て言ってね」
「若い女学生もいたんじゃないか。」とまぜっかえすと、
「そりゃ、きまってるよ。」と、
しかめ面で、笑って見せた。
少し笑っても、咳き込んでも、激痛になるらしい。

おっちゃんも、30歳代で、椎間板の手術をした経験を話した。
「手術前の検査がまいったね、
部屋にお丸が置いてあった。」と言った途端、
笑いのツボを直撃しそうになったらしい。

「ちょっと、待った、待った。」と、
口元、目元は大笑いなのに、眉間に苦痛の深い縦皺ができた。
だめだ、笑いたいけれど、笑えない、と、
やっと、口に出した時、新しい見舞いの客が来た。

おっちゃんは、その人たちと入れ替わるように、お暇することにした。
「また、きてよ。土曜日じゃなく、
ウイークディでも、おまえなら、来れるだろ。」と言うから、
「ああ、今度、たっぷり、続きを話してやるよ。」
「頼むよ、辛いことは自分だけじゃないと思うと少しほっとする」のやり取りのあとに、
「じゃあ、少しは笑えるように、よくなっておけよ。」と言って、
ドアを閉めた。

やっぱり、歳の近い友の病は堪える。
どんな悩みのあるときでも、
寝るときは忘れて、眠りに付けたのに、
今頃、友は苦痛に寝返りもうてずにいるのか、と浮かんでくる。

せいいっぱい、笑わしてやってよ、神さん。