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おっちゃんの「感想・鑑賞録」

2009年2月18日

『死刑長寿』野坂昭如

筆者:おっちゃん笑わんと、やってられまへんな。

団塊の世代は、いい思いをした。
社会へ出るときは、世の中は、右肩上がり。
昨日よりも今日、今日より、明日。
平和が続いて、ドンドン国は豊かに、よくなってきた。
しあわせな世代や、と言われることがある。

でも、幸せは、当人にはわからない。
不幸は、身にしみてわかりまんねんけど。

けど、団塊世代は、恵まれた世代、ちゃいまっせ。
高校受験の時から、
「三当五落」や
「受験戦争」や、と囃したてられました。

マスコミは、はしゃいで言いたてたが、、
これは、ひどい名前でんな。
受験戦争に勝ち抜くために、艱難辛苦。厳しい日を送らなければ、いけない。
しかし、そのことよりも、
「戦争」の敗者には、明日はない。もう奈落しかないと思わせる。
後者の方が、おっちゃんは罪深い、と思う。
人生は、そんな単純なものやないのに。
だから、おっちゃんは、どんな偉い人でも、
「受験戦争」と云う言葉を使う人は、信用せえへん、
と高校生の時に決めた。

世の中に出てしばらくしたら、
「こいつら、お荷物になる」と、
会社には思われていました。
尻を叩くにも、「終身雇用、年功序列」。
管理職の「にんじん」がない。
もう、見えてましたんや。
だから、団塊の世代が熟年になると、
バブル崩壊をチャンスとして、
組織理論・人事制度が音たてて変わっていきましたやんか。

その可哀そうな団塊の世代が、いよいよ老後を迎える。
国は、年金崩壊だけやない、
もっと、手荒い手を使うと、野坂昭如さんは小説で予言(妄想)する。
短編集「死刑長寿」の中の「エレクションテスト」。

昔、徴兵制度があったとき、
満一九歳に迎える男性は、壮丁検査を受けなければならなかった。
その検査に代わって、
経済的に行き詰った日本国は、
「エレクションテスト」を発令する。
俗にET法と名ばれ、
六十五歳になった男子は、春四月に、
検査で、イチモツが役に立つことを証明しなければならなくなった。

日本国中が七転八倒、大騒ぎ、ばか騒ぎ、から騒ぎ。
爆笑哄笑失笑くすくす笑いの連続。
野坂昭如さん得意の術中にはまりながら、
老後が身に迫ってきたことをしみじみ感じましたんや。

いつまで、笑ってられるのやろ。