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おっちゃんの「感想・鑑賞録」

2009年10月28日

『歴史の〈はじまり〉』 大澤 真幸・北田 暁大(対談)

筆者:おっちゃん 太陽と北風。

「北朝鮮問題を解決するのは、北朝鮮の民主化しかない。」と提起する。
大澤さんの発想は、すごい。

アメリカは、軍事力によって強制的に民主化をするとして、
イラクに侵攻したが、
軍事力によって民主化するというのは形容矛盾だという。
     民主化というのは内発的な民主化しか論理的にはありえない。

北朝鮮は、
     経済的に立ち行かない状況になっているし、かってより情報が入っていますから、
     自由というものがなんであるか、北朝鮮の人たちもある程度知っているはずです。
民主化のための重要な要因はもう揃っている。
軍事的に進攻しなくても、すでに死んでいる。
北朝鮮は、死んでいることに気づいていないだけ。
だったら、気付かせてあげればいい、として、大胆な提案に発展する。

東欧が民主化したことに学べばいい。
     東ドイツのベルリンの壁が崩壊した直接的な原因は、
     東ドイツからの亡命者というか難民を、
     西ドイツが大量に受け入れたということだったと思う。
逆に、なぜ、東アジアに北朝鮮が残っているのか。
     北朝鮮からの難民を西ドイツのように勇敢に受け入れる国が
     どこにもないからですですよ。
     もっとはっきり言うと、北朝鮮が民主化しないのは、
     北朝鮮のせいではなくて東アジアの近隣諸国のせいですよ。

おっちゃんなどは、いずれ自壊するだろうと思っていた。
しかし、死ぬときは人を道連れにするかも知れない。
じゃあ、誰を心中の相手に選ぶのか。
民族的同朋の韓国ではない。
中国でも、アメリカでもない。
なんか、いつも少し外される日本じゃないか、との脅えがある。

大澤さんは、いう。
     東ドイツが突然民主化したのは、結局、
     ハンガリー経由でいくらでも西ドイツに亡命できることがわかったからです。
     実は、東ドイツのケースでは、実に勇敢な媒介者の役割を果たして、
     東ドイツからの難民をフリーパスで西ドイツに送った。
移動の自由があれば、不自由な国にいる必要はない。
内側から民主化が起こる。
だから、日本は東アジアにおいては、ハンガリーの役割を担い、
北朝鮮の難民を受け入れる。
     「核兵器に恐恐としているよりは、難民を受け入れる方がリスクは少ない。」
北朝鮮の難民を「歓待」するという発想の逆転こそ、
実は、リアリズムではないか、と結ばれる。
     敵を迎えるということのなかにこそ、歓待の究極の姿を見たり。

「攻撃より歓待を。」
日本国民が政府を信じることができれば、
政府が国民を信じることができれば、
まだまだ、方法はいっぱいあるんだ、と感心した。